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【全母が泣いた!】「アルプス席の母」(早見和真 著)

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(※ネタバレありです。)
先日、2025年の本屋大賞が発表されましたね。
本屋大賞の公式サイトはこちら

何か読んでみたいな、と思い本屋さんに立ち寄り、
こちらの本を手に取りました。

「アルプス席の母」(早見和真 著)


本屋大賞2位の本です。
野球が好きな私は興味がわき、野球の話よね?と思って、ページをめくると、
高校球児の母親の話でした。

球児を主人公にした話は沢山ありますが、保護者視点の話は珍しい。

あらすじ

看護師をしながら一人息子の航太郎を育てる、秋山菜々子。
神奈川のシニアリーグで活躍する航太郎の夢は、甲子園に出場してプロ野球選手になること。
そんな航太郎に、関東の数々の高校からスカウトの声がかかる。
しかし、航太郎が選んだのは、大阪にある新興校。
菜々子も大阪へ移住するが、慣れない土地での生活、
野球部父母会のくだらないルールや不条理な慣例に嫌気がさす。
憧れの甲子園常連校を倒して、甲子園出場を目指す息子を支える母親のストーリー。

では、この本で泣いてしまう感動ポイントを3つご紹介します。

①母親の「息子のため」の覚悟の強さ

いや、大変。球児の母親って。
甲子園に出場する学校の父母会は特に大変です。
小説だから、フィクション。
でもリアリティがあって、「こういうことあるんだな」、と思います。
父母会の面倒な人間関係、嫉妬や嫌悪。
子どもがレギュラーか補欠か、上級生か下級生か、
それが親の人間関係にも影響します。

そして、父母会のルール。
監督への寄付金の場面は、不条理に耐える母親の姿で涙が出ました。
寄付金を渡す時、監督にたてつく菜々子。

それを同じ父母会役員の母親が、

「あんたの正義感なんてどうでもいい!
高校野球にとって監督は絶対の存在。
メンバー入りするかどうかは全て監督次第。
自分の子どもだけじゃなく、私の子どもも干される可能性がある。
私だって悔しい。こんなに屈辱的なことはない。
でも、子どもには「高校野球をやっている間は我慢してくれ」と頼まれたんだ!」

と菜々子に詰め寄ります。

全ては「息子のため」という覚悟です。

②甲子園出場を決めるシーン

地区予選の決勝で、ショートの守備についた航太郎。
その姿に緊張を抑えらず、応援席から離れようとした菜々子を、
同じ学年の息子を持つ母親から、引き止められます。

「逃げたらあかん。見届けてあげな。
私達の息子が甲子園に行くところや。」

そして、相手チーム攻撃の9回裏、2アウト満塁。
読んでるこちらまで胃が痛くなるような、大ピンチの中、
相手チームの3番バッターの打球が飛んで行く。
ショートの航太郎が全力疾走して追いかける。
ボールは、航太郎のグローブに納まり、ゲームセット。

心の中で
「うおおおおおお!!!!!」と叫んでしまいます。

心に迫る臨場感があります。

③菜々子に最大の理解者が現れる

慣れない土地で生活することになった菜々子ですが、
菜々子の職場の人が優しく、菜々子と航太郎の理解者となります。
その職場の人の紹介で、菜々子が親友となる香澄に出会います。
なんと、香澄の息子、陽人も航太郎と同じ学校の野球部。
航太郎は、推薦入学で野球部へ入部しますが、
陽人は、一般入学でただ1人入部を許されます。
菜々子も香澄も息子の立場に関係なく仲良くなります。
寄付金の一件で、菜々子が父母会で居場所がなくなった時も、
香澄だけは遠慮なく菜々子に接していました。

その他にも泣いてしまう場面が沢山あり、
ボックスティッシュ片手に読みました。

私は、野球が好きで、詳しいわけではありませんが、
野球好きならではのドキドキするようなところがあります。
航太郎は、東の野球王国神奈川で育ち、西の野球王国大阪で甲子園出場の切符をつかみます。
どちらも野球が盛んな地域、甲子園の地区予選激戦区です。
また、航太郎は元々ピッチャーですが、地区予選の決勝ではショートの守備につきます。
1年生の時にはエースナンバーをつけて、試合に出ていた航太郎が、
肘の手術後、3年でショートを守る。
ショートって、守備の要と言われるポジション。
一番守備が上手い人が守ります。
(ホークスでいうと、今宮。そういえば今宮も高校時代は投手と兼任してた。)
航太郎、すごいよ。野球エリートだわ。

野球好きも、野球に興味がなくても泣ける。
高校球児のひたむきに挑戦する姿と、息子の夢を後押しする母親の愛情。
心を打たれました。

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