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【現実ではありえない。だから小説は面白い!】「風が強く吹いている」(三浦しをん 著)

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20220925_超RIZIN
毎年この年末の時期になると、やってみたいと思うこと。
それは、箱根駅伝観戦。
お正月の1/2と1/3、毎年テレビで見ていますが、実際に選手の走りを見てみたい。
今度の箱根駅伝は見に行って、選手を応援したいです。

以前、新潟ハーフマラソンを走ったことがあります。
その時に強豪校の選手(青学の選手だったと思います)が参加していました。
折り返してくる選手とすれ違いましたが、速すぎてその速さを実感できませんでした。
なんせこっちは初心者ランナー、走ることで精一杯。
次元が違います。

箱根駅伝が楽しみで、箱根駅伝をテーマにした本が読みたくなり、
「風が強く吹いている」(三浦 しをん 著)を購入しました。

あらすじ

竹青荘に住む、寛政大学の学生10人。
10人の個性あふれるメンバーが箱根駅伝を目指す。

陸上経験があるのは、たった3人。
大半が陸上初心者のチーム。
最初は嫌々だったメンバーも走ることに夢中になり、仲間と絆が生まれていく。
走ることを通して、体力的にも精神的にも成長していく10人。
大学生らしい笑いあり、涙ありの青春小説です。

序盤、不安になりました。
箱根駅伝に挑戦するメインの登場人物だけで、10人。
どんな人物か覚えられず混乱して、途中で読むの挫折してしまうんじゃないか、と思いました。
でも、心配無用。大丈夫!
どの登場人物も魅力的なキャラクターで個性が強く書かれています。

私が一番好きな登場人物は、王子。
漫画好きで、陸上どころか運動経験なし。
でも、とてつもない集中力の持ち主です。
素人には過酷な練習をこなし、運動経験がないのでタイムは遅くても記録会や予選会でも走りきりました。
王子は、箱根駅伝では1区を走ります。
1区は東京のど真ん中、大手町をスタート。
大注目を浴びます。
王子は、三次元には興味がないため、注目を集める1区でも物怖じしない、という理由で抜擢(笑)。

箱根駅伝全区間、それぞれの特徴にマッチした登場人物が走るので、
各区間その世界観を思う存分楽しめます。
まさにその場面を目の当たりにしているかのようです。


この本のオススメポイントは2つあります。
1つ目は、話がドラマティックなこと。
誰一人欠けることができない、10人だけのチーム。
しかも、10人のうち陸上経験があるのは、たった3人。
そのチームで箱根駅伝に挑戦し、出場を果たします。
そして、思いがけない大健闘が起こります。

2つ目は、箱根駅伝ってどういうものなのかがわかります。
・箱根駅伝に出るためには、何の大会に出ればいいのか
(予選会ってどういうものか。)
・往路1~5区、復路6~10区、各区間の特徴
(花の2区とは?監督車が走れないコースがある?)
・ランナーが走っている時、どういうことを考えていて、どういう状態なのか
(無心で走っているのかな、と思っていましたが、そうでもない?)

10人のメンバーの大半が陸上のド素人。
個性的な10人が創るドラマは現実ではありえません。
だから小説って面白い!!
箱根駅伝直前の今、おススメの本です。

【余談】
今年の11月に行われた箱根駅伝の予選会を初めてテレビで見ていましたが、
画面からも伝わる熱気に驚きました。
スタートは、陸上自衛隊立川駐屯地。
こんなだだっ広いところを大人数でスタートするんだ!と驚きました。
(後で調べましたが、予選会出場校は43校。1校につき10~12名エントリーして、一斉スタートなのでおよそ500人が走るんですね。)
各大学の応援の熱量もすごい。
今年の予選会の日、暑かったんです。
気温は24℃でしたが、日差しもあり実際の気温よりかなり暑かったはず。
熱中症で倒れてしまう選手が何人もいました。
ゴール直前で倒れてしまった選手も。
この選手がゴール出来ていたら、本選に出場出来ていたはず。
こんな暑い天候じゃなかったら、と思うと胸が痛かったです。
そして、1秒差で予選落ちしてしまったチームも。
予選会もとてもドラマティックでした。

20220925_超RIZIN

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