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【今すぐ図書館に行きたくなる!】「お探し物は図書室まで」(青山美智子 著)

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図書館って好きですか?

私は好きです。
ちょっと30分だけ、と立ち寄ってしまい、
2時間位いることがあります。

昔読んだ本を見つけたら、「あれ?これってどんな話だっけ?」と手に取ったり、
興味があった本を見つけたら、「あ!この本読みたかったやつだ!」とついページを開いてしまいます。

図書館にいると、ゆっくりした雰囲気なのに時間はすぐに過ぎてしまう。
最高の居心地です。

今回は図書室が舞台の小説。
「探し物は図書室まで」(青山美智子 著)を紹介します。

あらすじ

仕事や、育児、生き方等、人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れたコミュニティーハウスにある図書室。
そんな彼らに、司書の小野さゆりは意外な本を薦める。
羊毛フェルトで作った可愛い付録付きで。
小野さんから本を選んでもらった人は、その本に夢中になり、
前向きに人生が進んでいく。

物語は、全5章。
1章:仕事に悩む若い21歳の婦人服販売員の朋香
2章:仕事とやりたいことに悩む35歳の家具メーカー経理部勤務の
3章:育児と仕事に悩む40歳の元雑誌編集者、夏美
4章:夢だったイラストレーターをあきらめて生き方に悩む30歳のニートの浩弥
5章:定年退職して人生の目的の喪失と孤立感に悩む65歳の正雄

この本を紹介したいポイントを3つに挙げたいと思います。

①共感できる。
(というか、共感してしまって応援したくなる。泣いてしまう。)

各章の全登場人物に
「なんか、、、わかるわ、その悩み。」って共感できるんです。
5章の定年退職後の話も私自身が経験していなくても、
喪失感を頂く主人公に心が痛くなります。

特に私が話に没頭してしまったのが、
3章の育児と仕事に悩む40歳の元雑誌編集者、夏美さんの話。
望んで結婚して出産したのに、仕事、そして家事も育児も上手くいかない。
出産前は雑誌編集者でやりがいがあり、忙しくも実績を積んだ仕事だったのに、
出産後は部署異動で本意ではない業務をすることに。
家事と育児も思うようにいかない中、雑誌編集者としてキャリアを積んでいく独身の女性を羨んでいる。
そんな状況の中、以前一緒に仕事をした作家とのランチで、
「あなたはメリーゴーランドの中にいるのね。遊園地は広いんだから楽しみなさい。」
と諭される。
ぐるぐる回っているメリーゴーランド。先頭もビリもない。
目の前の人のをいいなぁいいなぁ、と思って走っているけど、後ろ姿だけしか見ていない。
その人も頑張って頑張って、闘ってきたんだということに気がついて、嫉妬から解放される。
と、いう話です。

私自身も似たような思いをしたことがあって、気がついたら涙が。
この章だけでなく、各章の登場人物に共感してしまいます。

②司書の小野さんが薦める本が読みたくなる。
1章:「ぐりとぐら」
(仕事に悩む若い21歳の婦人服販売員の朋香


2章:「英国王立園芸協会とたのしむ 植物のふしぎ」
(仕事とやりたいことに悩む35歳の家具メーカー経理部勤務の


3章:「新装版 月のとびら」
(育児と仕事に悩む40歳の元雑誌編集者、夏美


4章:「ビジュアル 進化の記録: ダーウィンたちの見た世界」
(夢だったイラストレーターをあきらめて生き方に悩む30歳のニートの浩弥


5章:「げんげと蛙」
(定年退職して人生の目的の喪失と孤立感に悩む65歳の正雄

5章で草野心平さんの詩、「春のうた」についても触れられています。
「あ、そうそう!!草野心平といえば「春のうた」よね。小学生の時教科書で読んだわ。」
と思い出しました。
今、季節は春。あの詩をまた読みたくなりました。
そこで現役小学生の娘に、
「ねえ、学校で草野心平の「春のうた」って習った?
もし教科書に載ってたら、読みたいから貸してくれない?」
って聞いてみました。
「習ったよ。4年生の時に。ちょっと待って。」
と言って、教科書を貸してくれました。

「おお!やっぱり良いわー!春の朗らかさを感じる。」

私が小学生の頃習って、現役小学生の娘も習ったこの詩。
おそらく、読んだことがある方が多いと思います。
「春のうた」をここに全文書きたいのですが、
草野心平の作品は、著作権が切れていないので書けないのです。
(これだけ「春のうた」について書いといてすみません・・・。)

③羊毛フェルトが良いエッセンスになっている。
小野さんが渡した付録の羊毛フェルトはこちら↓

1章:フライパン
2章:猫
3章:地球
4章:飛行機
5章:カニ

この付録の羊毛フェルトが物語の、そして各章の主人公の悩み解決の一つの要素になります。
表紙にも羊毛フェルトがデザインされています。
この表紙の羊毛フェルトが、私が想像したものと違うんです。
羊毛フェルト作家の方が作られたもので、
色のグラデーションがすっごく綺麗!
見入ってしまう可愛さです。

図書館に行きたくなる、前向きな気持ちになれる小説です。

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